Rashii

なごみのSPA

自分が欲しいものを売る。
共鳴してくれた人が買う。

―――人気の秘訣、クリエイティブヨーコの強みはどんなところにあるのでしょうか?

創業者の言葉なのですが「自分が欲しいものを探してきて売る。それに共感、共鳴してくれた人が買う。」というのがあります。消費者としての自分が欲しいものを作って売るというのが本当に根本の考え方です。創業者の欲しいものが、ご自身の境遇、結婚されて、子どもが生まれて、子どもが成長して、巣立っていくっていうステージの中で、それぞれ自分の欲しいものが変わっていく、その都度、自分が欲しいものをつくり続けてきた―、結果が今の商品です。

ターゲットのニーズを探して、それに合わせていく、というものづくりはしていないですね。マーケティングっていう概念がそもそもない気がします。そういった、今、女子高生やOLさんにはやってるからとか、だから商品化しましょう、というのは、逆に文化としてないというか、それは本意ではないという捉え方をします。うちではそれは、顕在化されたニーズの後追い、いわゆるレッドオーシャンに飛び込むという捉え方になります。

キャラクターへの愛で
つながっている

―――どんな体制で行っているのでしょうか?

マーケティングはしてないけれども、直感的に、今はこれがいいと思うものが売れるということはあります。例えば今回、マスクもかなり早い段階でつくりました。全店が一時期閉店に追い込まれるという厳しい中でも、売り上げを支えていたのがマスクだったり、ワンちゃん用の除菌スプレーもすごく売れました。私たちは大きな会社ではありませんので、企画会議も雑談のような少人数のミーティングから、これいいね、じゃあやろうか、と決断が速い。アイテムがかなり多岐にわたっていて、取引先とのネットワークも広いので、布ものだったらここ、プラスチックだったらここ、と何でもすぐにぱっと実現できてしまいます。

私たちは自社開発、自社販売、いわゆるSPA。私どもはなごみ雑貨、ペット商品のSPA、なごみのSPAというふうに捉えてます。商品開発については先ほどあったように、本当に企画者の小さな雑談から始まって、自由に提案ができる。販売は全店直営店です。卸販売というものは行わずに、必ず私どもと共通の価値観を持つ者が売る。全員が共通の価値観を持って作り、売るっていうところが一番の強みかと思います。

キャラクターへの愛でつながっているといいますか、しろたんが好きな人、ペットが好きな人が集まって、それぞれ情報交換をしながら進めていく。販売スタッフは販売するだけじゃなくて企画と密に関わっていて、一番現場のお客さんの声が分かるので、「こんな商品が売れた」「こういうの作ってほしい」「これ来年はもっとたくさん作って」とかいうことを企画と日々やりとりしてます。現場でただ売るのではなくて、もの作りにも参加している、そういう役割を担って店頭に立ってる。それが強みです。

それほど大きな会社じゃありません。各店に大体、社員の店長が1人ずつ。その1人と本社の人間集めても社員が170名ぐらいなので顔を覚えられる。離れていても、どこそこの誰々が店長やってる、同期の誰々君が作ってる、あの子に聞いてみようとか、そういう売ってる人も、もの作りの人も、顔が見える。みんなで支え合って作り上げようっていうムードがあるのが、うちの良い点だと思っています。

マーケティングをしない。自分の欲しいものを売り、共鳴してくれた人が買う。売り手と買い手が同じ価値観でつながっていて、そのバリューチェーンにかかわる人すべてがキャラクター愛を持っているので、提供価値が劣化するところがない。このビジネスモデルがクリエイティブヨーコの強みです。なごみのSPA。まさにパーパスでつながっているのだと思います。そんな強みを持ったクリエイティブヨーコの今後の展望について、引き続き聞いていきます。

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