売上を2倍
環境負荷を1/2
マーケティング-ホーム&パーソナルケア グローバルブランドマネジャー ラックスヘア
河田瑶子さん
―――ユニリーバは特にサステナブルな企業として世界的なリーダーであると思いますが、コーポレートとしてはどんな指針が出ているのでしょうか?
河田氏:売上を2倍に。環境負荷は1/2に。普通に考えたら2倍にしていて1/2ってどういうこと?ってなりますよね?たしかに営利企業としてビジネスを伸ばしていくのは当たり前です。しかし売上を2倍にしながら環境負荷は1/2にする、同時に社会貢献もブランドを通して行っていく…、当時その一見矛盾する指針に、みんな驚いていたと聞いています。
ユニリーバはシャンプーなどの日常品を多数取り扱っています。プラスチックの削減など、商品周りでできるようなCSR活動はもちろん、コミュニケーションや具体的な取り組みから、社会に良い変化を起こすために何ができるのか?ブランドごとに、何がパーパスで、それを実現するために、こういうコミュニケーション、こういうアクションと、明確にイメージとプランを持つようにと指針が出ています。ビジネスの成長速度を比較したときに、明らかにパーパスがあるほうがビジネスに寄与するという数値があります。ただ単に社会をよくしたいから、それもそれでいいのですが、私たちは営利企業としてパーパスを通じてビジネスを成長させる。そしてその利益でパーパスに投資をするという、いい循環ができるよう目指しています。
相反するものではなく
両立できる
―――サステナビリティな活動を評価してくれるというのはいい会社ですね
河田氏:評価してくれるというか、むしろやらないと評価してくれません。社会に貢献することや環境に負荷をかけないこと、それとビジネスの成長は相反するものではなく両立できる。同じ軸に持ってくるところがチャレンジなんだと思います。私はもともと環境保全やサステナビリティのテーマにすごい興味があって、それとビジネスが両立できて個人的なモチベーションにもなっています。パーパスは今注目されてますが、マーケティング手法的にも、まだまだ新しい、だから本当に、この仕事が面白いです。
ユニリーバは、サステナブルなビジネスとして成功するためのビジネス・プラン=事業戦略として「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン」を2010年から導入。すこやかな暮らし・環境負荷の削減・経済発展の3つの大きな目標を掲げてビジネスを展開しています。
その中の経済発展を見てみると、「公平な職場」「女性のための機会」「包括的なビジネス」とあり、河田さんの手掛けられたLUXのマーケティングはここに紐づけられるのではないかと思います。今年から本格的にはじまったLUXのパーパス・ブランディングについて、詳しく聞いていきます。