ソーシャルイノベーションは
ローカルな問題に対応するが
グローバルに影響を及ぼす
エレナ・パチェンティ氏
New School of Architecture & Designデザイン学部長
ソーシャルイノベーションは人々から始まり、小さな地域レベルで解決しようとする動きとなって、非常にピンポイントな文脈に特化して定義されていくが、その影響はグローバルに拡大されていく。サンディエゴ、メキシコとの国境で起きているケースから考察しています。QUATYARD:空き地をコミュニティの改善のためにイベント会場に変えてしまう。CASA FAMILIAR:ソーシャライジングの居住空間。BEAUTIFUL WALL:メキシコとの壁に起きている様々なアートが発信するメッセージ。デザイナーはビジョンを持つことができ、解決に向けて進めることができるとエレナ・パチェンティ氏はいいます。
ブランドがとるイニシアチブ
マウロ・ポルチーニ氏 ペプシコCDO
ブランドが率先して取り組んでいくテーマを示す=イニシアチブ。例えばペプシはアートをイニシアチブしていくとマウロ・ポルチーニ氏。ミネラルウォーターのボトルデザインに若手のアーティスを起用し、3か月ごとにデザインを変えていくそうです。ニュージェネレーション、新しい世代にはEコマースで直接語りかける。ブランドが何にイニシアチブをとっていくのか?が問われています。OJAS STUDIOはアーユルベーダをイニシアチブしていくと言います。Eコマースで展開し、スモールマスのコミュニティを形成・拡大していくことでブランドの世界観を構築しています。
もう一つペプシが進めているのはカスタマイゼイションです。カプセルフレーバーを提供し、サーバーから自分好みの味にカスタマイズして楽しみます。ゲーターレードGXはアスリート一人ひとりのためにカスタマイズされます。ブランドの構築には人々の行動を変容させるイノベーションが必要だといいます。
(映像)Gatorade GX
パーパスブランディングに必要なことが
ぎゅっと詰まったイベント
今回のイベントではパーパスブランディングを推進していくうえでのヒントがたくさんちりばめられていました。
- ブランドの存在意義の再定義と推進(パーパスブランディング)には、デザインが重要であること。
- 社会課題の解決に向けて人の行動を促すにはNudge(プロセスのデザイン)が必要であること。
- 人々を巻き込むためのデザインカルチャー体験。
- 持続させるためのビジネス視点。
- 人や地域の課題に目を向けることがグローバルの発信に強みを持つこと。
- ブランドが何にイニシアチブをとるのか示すこと。
- イノベーションが人の行動を変容させること。
今回の学びを今後の活動に役立てていきたいと思います。
社会課題や社会の変化という壁を前にして、それを乗り越えるアイデアや原動力として、デザインの存在意義・役割があるということがよくわかりました。4Dカンファレンス2019オープニングイベント報告は今回で終わりです。最後まで読んでいただきありがとうございました。