私自身がアメリカで
カルチャーショックを受けた
―――事業を始められるきっかけを教えてください。
平久保氏：アメリカに留学していたときに、友人に連れて行ってもらったお店で、初めてブラジャーをフィッティングしてもらって、すごく感動しました。それがきっかけで、今、ここにこうしています。（笑） 当時は何も考えずに、いつも同じサイズのブラジャーを付けていました。フィッティングしたらサイズが変わっていたんです。あ、サイズというのは変わるものなんだと。そして下着は体に合わせるものなんだと。そして下着にもTPOというものがあるということもこの時知りました。当たり前のことなんですけど、そういう常識が私の中になかった。で、そのブラジャーのカップがフィットする感動といったら！フィッティングルームってすごい！って思いました。そして、フィッティングをここまでやってくれるところ日本にないよねっていうところから始まったわけです。
ブラジャーだけでなく、ショーツもそうです。お尻の形も人さまざま。お客さまにとって何が合っているのか、どう補整すると良いのか、悪いのか。０から研究して、たくさん勉強させていただいて、今に至っています。結構、フィッティングっていうのは奥深いんです。フィッティングを通して、自分にピッタリのサイズを合わせることで、お尻の形も整うようになります。サイズのこともTPOのことも、そういう知識っていうのは、私が留学して文化を感じなければ、教えてもらわなければ、日本にはなかったんです。私がカルチャーショックを受けたことが発端なんですよね。
1時間のフィッティング
お客様との共同作業
―――フィッティングについて教えてください。
平久保氏：私自身が感動したっていう経験があるので、その感動を同じようにお客様にも味わってもらいたい。まだ見ぬ自分の美しさを待ってらっしゃる方、また、困っていること、コンプレックスがたくさんあるという方を手助けしたい。そんな、うちのフィッティングは本当すごいです。お客さまのお胸をわしづかみしたりとか、お客さまのショーツの中に手を突っ込んでお尻をわしづかみしたりとか。（笑）そこから始まって、ただ近いサイズをおすすめするのではなくて、お客さまに本当にジャストフィットするサイズを、お直しして調整もして、つくりあげていきます。そしてお渡しして、着け方まで。だから全部含んで、1時間かかります。フィッティング、カウンセリング、そして目的設定、それからお直し、そしてアフターケア。お客さまはどうなりたいかっていう想いもお聞きしながら、どういうふうになってほしいかという私たちの想いと、話し合いながら共有しながら作っていかないと駄目なんです。共同作業なんです。
みんなハートフルなの。
うちの誇りです。
ハートフルなBRADELIS New York スタッフ
―――ゴールドフラッグの強みはどこになりますか？
平久保氏：わが社の強みは、本当に、人材です。もう、人しかいないっていうか。私が今まで話してきたような価値観を、スタッフみんなが分かってくれないと、お客さまは喜んで帰っていただけないと思います。人が強みであり財産、資産でもあると思っています。
私たちはデザインから小売りまで行っています。デザインで言えば、フィッティングを通してお客様との距離が近いので、直接声が、デザインに取り込めます。サービスも同じです。お客様が、胸がきれいになった、お尻が上がった、どんどんきれいに変わってくる。ご自身の美しさに感動している。そういった声が直接聞けるし、姿も直接見ることができるので、それを商品やサービスに反映できる。喜びをフィッティングルームの中で共有でき、鳥肌が立つぐらいうれしい。やりがいも出てきます。やっぱり、感謝されたり喜ばれたりすることによって、それが肌で感じられる、共有できるっていうのは一番のご褒美であり、何物にも代えがたいものです。そういうことを大事にしている会社なのです。
うちは研修には力を入れています。星を五つ獲得していく制度なのですが、参加するみんなは、もう、毎回本気です。受かったらみんな泣いていますからね。受からなかったらまたそれは悔し涙で泣いています。もう、みんな泣いているんです（笑）そういう感受性が強いスタッフがすごく多いし、それだけ一生懸命なんです。そういう姿勢の子たちばっかりなので、私たちも応援しているし、お客さまにも応援してもらえます。そういうこともひっくるめて一緒に喜び合える。みんな素晴らしいの。温かいの、みんな。ハートフルなの。うちの子はみんなハートフルなの。うちの誇りです。愛であふれてる。うちではそれが、一番大事です。
フィッティングというお客様との共同作業で“BRADELIS Beauty”を創出し、その美しさに感動するお客様の姿をとても近い場所で、直接スタッフみんなで共有する。そうすることでデザインやサービスのクオリティもアップする。それを支える研修もある。デザインやサービスのクオリティがアップすれば、感動も大きくなる ― この好循環が、あふれる愛と、お客様の絆をより強固に大きくすること。ここにゴールドフラッグの強さの仕組みがあるのだと思います。
